



加害者が任意保険に入っていない時は、加害者と直接交渉することになりますが、多数の加害者は任意保険にはいっており、保険会社に一任するので、実際には
被害者は保険会社と交渉することになります。
交通事故が、
一生に1回あるかないかの被害者と、日々、交通事故の
賠償請求の交渉をこなしている保険会社とでは、経験も知識も雲泥の差があってあたりまえです。
本人が示談交渉し、相手側の言われるままに認めてしまい、
本来得られるはずの賠償金を得ることができなかった被害者は本当に多いです。
すなわち、
裁判基準が高いというのではなく、つまり
自賠責保険基準・任意保険基準が低いのです。
保険会社はビジネスですから、できるだけ支払いは少なくしたいと考えるため、裁判所基準は使いたがりません。

示談交渉では
任意保険基準が相場となっているのが現実です。
被害者からお金を請求することに抵抗や後ろめたさを感じてしまったり、保険会社の提示額が正当な賠償額だと勝手に思ってしまうからでしょう。
私ごとで恐縮ですが、先日偶然ひき逃げ事件の現場に遭遇しました。
交通事故の相談は毎日のように受けていますが、実際、事故の現場に居合わせることは弁護士といえども少ないものです。
昼食を終え、お店をでてからものの数分、大きな衝撃音とともに多くの人だかりができているのに気がつきました。
交差点での交通事故で、車に轢かれたのは小さな女の子でした。
お昼ということで、人だかりはますます大きくなっていきました。
警察に電話を掛ける人などもおり、比較的早く処理されるものと誰もが思ったことでしょう。
しかし、後日、同じ場所を通ると、
”事故の目撃情報を探しています”との立て札が…。
「目撃情報?」
正直驚きました。
なぜなら、事故現場には50人以上の目撃者がいたからです。
それにも関わらず、犯人の車などの情報を誰一人覚えていないというのです。
おそらく、白昼堂々起こった事故であり、犯人も一度は車から下りてきたことから、誰もひき逃げ事件になるとは思っていなかったのでしょう。
実は私もその時、同様に、大勢の人が現場に居り、警察を呼んでいるということで、ひとまず安心はしていました。
しかし、
職業病からか念のため車のナンバー・車種・色を携帯に記録しておりました。
車のナンバーが決め手で検挙に至ったようです。
後日、警察の方からお電話をいただき、表彰されることになりました。
「君、警察にならないか?」と言われましたが、「私は弁護士なので…」と丁重にお断りしました。
交通事故は誰の身にも起こりえます。
それは、あなたが十分に気をつけていたとしてもです。
しかし、
その後、頼れる専門家を見つけることができれば、2度も泣くことはないはずです。
理不尽な事故が起こったとしても、法律だけは被害者救済の権利を与えているのですから。